どんなお話が聞きたいですか。
落ち葉の妖精

アトレックス・マリ- 、彼女の名前だ


今日は日曜日、彼女は自分の部屋で本を読んでいた。

季節は、春・・

窓を開けると心地よい空気が入ってきた。

すると、どこからか一枚の落ち葉が入ってきた。

しかし、、この近くには背の高い木など一本もない。

彼女はとても不思議に思った。

そして、入ってきた落ち葉を捨てようと思ったが…

その時落ち葉がしゃべりだしたのだ。

『あなたの望みを叶えてあげましょう。』

彼女は唖然とした。

『あ、あなたしゃべれるの?』

するとみるみるうちに落ち葉から妖精に変わっていった。

『ええ、しゃべれるわ。』

『ご飯の時間よ―――~』

お母さんの声だった。

いつの間にか、6時になっていたのだ。

『行ってらっしゃいよ、マリ-』

『ええ…』

そして、ドアが閉まった。

落ち葉の妖精もまたただの落ち葉に変わってしまった。

『はあ――、おいしかった。そういえばさっきの妖精はどこへ行ってしまったの?』

『ここにいるわ、マリ-』

そういうと妖精がまた現れた。

『あなたは何をしに来たの?』

『あなたの望みをかなえるためよ、マリ-』

『私、望みなんてないわ。あっ、』

『どうも、あるようね。何かしら?』

『あの…友達と遊びたいの。だけど、お母さんが許してくれないの。』

『どうにかなるかしら??』

『分かったわ。明日、たくさんのお友達がこの家に遊びに来るわ。』

『お母さんが許してくれるかしら。』

『大丈夫。安心しなさい』

そう言って、落ち葉の妖精は落ち葉へと元に戻っていった。

次の日、彼女は一番失ってはいけないものを失った。

それは、母親だった。

それと同時に、たくさんの友達が家に遊びに来た。

しかし、今は遊ぶどころではなかった。

自分の部屋に戻って落ち葉を見つめた。

『そんなに見つめないで』

『見つめてないわよ。あなたがお母さんを殺したの?』

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