プラチナの誘惑
「昴…」

「さっきの答え、まだ聞いてないぞ。

俺のベッドがいい?

このまま押し倒した方がいい?」

胸に置かれた手から感じる刺激が私の気持ちをおかしくする。

煽るように見つめられて、拒むなんてできない。
昴の声も表情も、今は私だけを求めてるって思える…。
こわごわと昴の額にかかった前髪をかきあげると不意に見せる笑顔…。

もう…この悪魔に堕ちていく…。

「昴のベッドがいい…」

小さくても、迷いなく答える。

抱かれるなら…昴のベッドで包まれたい…。
たとえ、ほかの女の人とも愛しあった場所だとしても…。

そんな想いが顔に出たのか、安心させるような声で

「俺のベッドは俺しか寝た事ないから。
余計な事考えるな」

同時に、抱き上げられて
唇に軽く触れる唇。
そっと昴の首に腕を回して…。

コトンと昴の肩に顔を埋めた。

忘れられない女の人
本気の女の人

今はもう…忘れよう…。
せめて今夜だけは。


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