プラチナの誘惑
『また、後で』
の意味がわかった…。
設計部の会議室で相模さんと一緒に待っていたのは昴。
私が来るのがわかってたようにニヤリと笑いながら座っていた。
「忙しいのにすみません」
何だか気まずい気持ちで俯きながら私と宣伝部の先輩、日向さんは向かいに座った。
視線を上げると、何もなかったかのように普通に資料を眺める昴。
隣には相変わらずオーラを身にまとった相模さん。
カメラマンの注文を聞きながら軽く笑っている。
建築業界の宝とまで言われる才能を持つ人材を、我社だけのものにはできなくて、同業他社の人材育成にも力を注いでいる。
プライベートは双子のパパ。
奥様の葵さんを溺愛する無敵のカリスマ。
…いいな…。
私も誰かに一生懸命愛されて、遠慮なく愛し返す幸せを感じたいな…。
「相模くん、今回は若手の男前を前面に出したら?」