プラチナの誘惑
ショーケースに並ぶ指輪はどれも眩しく輝いていて、慣れていない光が私を夢中にさせる…。

同じ種類の宝石でも、カットの仕方で違う表情が見えるし、光の加減が雰囲気を変えてしまう。

アクセサリーには興味のなかった私には、たまらなく新鮮で、一生懸命見てしまった…。

こんな綺麗な宝石を身につけたら、少しは自分に自信を持つ事もできるのかな…。

「気に入ったのある?」

「ん…どれも綺麗で見とれてしまう。
ちゃんと近くで見るの初めてだし」

宝石達から目を離さずにぽつぽつと答える私。

どちらかといえば単純なデザインで、小さなダイヤがひっそりついているリングに目がいった。

ペアリングなんだ…。

二つ並んでいるリングはたまらなくかわいくて、ダイヤが乗ったプラチナの未来への意味と共に。

憧れと切望。

夕べから、初めて味わう感情の波にさらわれ続けてる…。


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