プラチナの誘惑
「…っ。え…抱きたいって…」

何をどう言っていいのか、うまく言葉が出ないままに慌てている私を見ながら。
昴の瞳は更に深い熱を持ったように細くなった。

「部屋、わかるよな。
俺コンビニ寄ってから上がるから先に行ってろ」

「コンビニなら、一緒に行くよ」

「…いいけど。俺が何を買うかわかってる?」

すっと伸びた指先は、私の頬をいたずらに撫でる。
昴は少し悪戯気味に笑うと、わざと吐息を耳に吹き掛けて

「ゴム買いに行くんだけど?
二人でレジに並んで

『今から俺達愛し合います』

ってアピールする?
俺はかまわないぞ」

くくっと笑って、唇を首筋に這わせると

「…それとも、妊娠してもいい?
俺達の子ならかわいい女の子だろうな」

更に鼓動を跳ね上げさせる言葉を聞かされて、私の許容量はいっぱい…。

「先に部屋に行ってる…」

とりあえず、ゆっくりそう言うだけで、私の気持ちは限界。
慣れない状況と昴の言葉にはこれ以上対応できない…。

「…まだまだこれからだからな…」

無造作にさまよう私の手を掴んだ昴は、今までになく真面目な目。

そらせなかった。
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