涼×蘭
「失礼します」

悠斗を引っ付けたまま襖を開ける。

「え……?」

「に゙……?」

こっちを向いたまま呆然とする涼と蘭。そして涼はがしっ! と蘭に抱き付く。

悠斗と目があった涼は視線をキッ! とキツくする。それに敵対するかのように悠斗は腕に力を入れる。

「いや、何でこうなる」

そのままバチバチと飛び散る火花。

悠斗には説明済みだから良いとして、涼のは何だ。蘭みたいに野生の勘でもあるのか。

悠斗は友達としか言っていないぞ。キスした相手だ、なんて一言も言ってないんだが……。

ほら見ろ。蘭なんかいきなり抱き締められたから弱いおつむが爆発しそうだ。
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