僕の明日みんなの明日

家族のカタチ

なんの話をしてるの?あの人って誰のこと?もしかしてお父さんとお母さんが離婚したことに関係があるの?

僕がどんなに思ってもどんな言葉を放ってもその答えを知ることはできなかった。それからお母さんは一言も喋らずに謎めいた言葉を残して帰って行った。

お父さんとお母さんがなんで離婚したのか知りたかった。どうしたら分かるかな?僕が独りでいくら考えても分からずに歩君との約束の時間になってしまった。

今はとても歩君に会いたい。歩君に会ってお母さんの話のこと相談しよう、それで一緒に考えてもらおう。そう心に誓って僕は急いで公園に向かった。

まだ空は明るいけど時計の針は１７時を過ぎている。これぐらいの時間帯になると公園に人は少なかった。今、公園にいるのはベンチに座って話しをしている中学生の二人組と砂場で遊んでいる子供が三人いるだけだった。歩君の姿を求めて公園をざっと見渡してみると歩君はﾌﾞﾗﾝｺに乗って待っていてくれた。僕は直ぐに歩君の側に走った。

『ごめん待った?』

僕が声をかけると歩君は少し不機嫌な顔でﾌﾞﾗﾝｺから飛び降りた。

『遅い!一時間は待ったぜ、何してたんだよ。』

僕は歩君にお父さん会いに行っていた事と病院で聞いたお母さんの言葉を簡単に説明した。

『ふーん、確かに気になるな。大石の両親って離婚したんだよな?』

『うん、一年前に。』

『その“あの人”ってのが離婚に関係がありそうだな。』

『僕もそう思うけど…。』

『じゃあその人を調べようぜ。』

『調べるって…どうやって!?』

『とにかくお前はおばさんの所に行ってろよ。側に居れば何かヒントが聞けるかもしれないしな。』

『そんな簡単にいくかな?』

『それで俺は明日おばさんに会いに行くから。』

『会いに行くって…来てどうするのっ!?』

『離婚の原因を聞いてみるんだよ。』

『何言ってんのさ!?お母さんは歩君のこと知らないんだよ?それなのにどうやって説明するの?』

『まぁとにかくやってみないと分からないだろ?明日は土曜だし、ちょうどいいだろ。じゃあ明日駅に迎えにきてくれよ、じゃあな。』

まただ、また歩君は人の話を最後まで聞かずにサッサと帰ってしまった。全く、メチャクチャな考えする人だな〜。