僕の明日みんなの明日
そう言えばさっき歩君が言った僕みたいなタイプってどういう事だろ?歩君に聞こうとしたら、チャイムが鳴り話は中断された。

『ヤベっ!早く教室に戻らねえと。あ、それと俺が変人に思われるから教室とか人前で話し掛けないでくれよ。まだ話したいことあるから放課後に学校前の公園にきてくれよ。じゃあまたな。』

歩君は一方的に話をして行ってしまった。なんだか変わった奴だと思った、けど話せる相手ができて凄く嬉しい。しかも同い年の。

こんなことってあるんだ。死んだ後に友達が出来るなんて思ってもみなかった。とりあえず放課後まではお父さんの所にいよう、この事を話してみよう。僕はそのまま学校から離れて病院に向かった。

病院に向かう途中、今朝よりも気持ちが軽い気がした。友達が出来る、それがこんなに嬉しい事だなんて考えたこともなかった。誰かと話せることが幸せと感じる、早く放課後にならないかな。自分が知らないうちに小走りになっていて予定より早く病院に到着した。病院に着いたら早速お父さんに報告した。

『お父さん、さっき友達ができたよ。幽霊が見えるんだって、凄いよね。って幽霊の僕がこんなこと言ったら変だよね。』

ガラッ、扉が開いてお母さんが入ってきた。どうやらお見舞いに来たらしい。なんだ、お母さんもお父さんが心配なんだ。ちょっと安心した、二人は仲が悪いと思ってたから。だけどお見舞いに来るってことは、思っていたより悪くないってことだよね。お母さんは花瓶の花を変えながら、呟くようにお父さんに語りかけた。

『あなた、あたしはやっぱりあの人のことを許すことはできないわ。』
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