僕の明日みんなの明日

僕は今すぐ逃げたいと思った、アイツから嫌な気配が凄く感じる。でも、この気配はアイツのものじゃないと分かった。アイツの姿に気をとられて気付かなかったけど、背後にいる女の人からだった。

年はお母さんと同じぐらいかな？幽霊だとすぐに分かったけど、桜さんや他の幽霊と全然違う感じがする。恐い･･･関わりたくない･･･考えているうちにその幽霊と目が合った、と思うと僕の隣にいた。

『キミアイツニコロサレタデショ？』

声が普通じゃない！一人なのに何人かが一度に喋っているみたいに声が重なり合ってる。

『な、何で知ってるの？』
その人はニターを笑って答えた。

『ダッテミテタモノ、コロサレルトコロ。』

『見てたって、あなた誰？』

『アタシハ、カトウエリコ。キミノマエニ、コロサレタモノヨ。』

カトウ？加藤さん!?僕が死ぬ前の朝にテレビでやってたニュースの人だ。そういえばニュースで顔も見た、この人だよ。

『加藤さんって強盗殺人の被害者だよね？確か女の子も一緒に死んだはずじゃ。』

『ソウヨ！アイツハ、アタシダケジャナクテムスメモコロシタ!!ユルサナイユルサナイユルサナイ！』

加藤さんは急に爆発したみたいに大声で叫び出した。加藤さんはすごく怒ってる、子供が殺された事に自分を見失うぐらい怒ってる。とにかく落ち着かせないと。

『あの、その娘も幽霊になったの？』

『ワカラナイ、キヅイタラアタシダケガコウナッテイタ。』

『それじゃあ、その娘は成仏したんだよ。加藤さんも一緒に逝かないと！』

『ダメダ！アイツヲコロスマデハイケナイ。コロス･･･コロス･･･コロス･･･』

加藤さんは凄い顔で消えて行った、大変だこのままじゃ本当にアイツを殺しちゃう。

加藤さんが怒るのは分かる。けど、こんなの絶対に間違ってる！加藤さんを止めないと。