僕の明日みんなの明日
怒りと憎悪と優しい心
夏休みまでの一週間は歩君と会わなかった。学校までついて行ったら迷惑になるのは目に見えてるし、歩君には歩君の生活があるからだ。

一週間の間に僕は、色んな所に行ってみた。電車に乗って海にも行ったし、町にも出かけた。それで気付いたことがあるんだけど、幽霊は墓場にはいないってことだ。話し相手が欲しく行ってみたけど、一人もいなかった。だけど、町に出かけた時に何十年も幽霊をしている人に会った。

その幽霊は結構若い男の人で、服装は古臭い。人通りの多い道にいてなんでそこにいるのかも死んだ理由も家族のことさせ覚えていなくて、心残りも分からないから成仏できないでいた。

『ずっとそこにいて辛くない?』

『もう慣れたよ。こうやって人を眺めるのも好きになった。それにたまに君みたいな人が話し相手になってくれる。』

『そう、成仏しようとは思わない?』

『今はまだできない、けれどそのうちできるようになるだろ。』

その幽霊とは一日中話して、幽霊のことを教えてもらった。幽霊は死んだ時の気持ちが現れたもので、一つの感情が強すぎると自分を見失い悪霊になってしまうそうだ。だから感情に流される前に成仏した方がいいと言われた。でも僕はこのことを甘くかんがえていて、この後その意味を知ることになった。

僕はぶらぶらと町を歩いて辺りを見渡したらアイツを見つけた、忘れることのできない僕を殺したアイツに・・・
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