ラブリーホーム*先生の青③




チュパ、チュパ



「あ―――――っっっ!
青波っっ
パパのケータイ
しゃぶってるーっっ!」



慌ててバッと
ケータイを取り上げると


「あーっ、だぁーだっ!」


何すんだよ、ママーって顔で
青波は私を見上げた



ダイニングテーブルでパパが



「あーっ!そうだ、
リビングのテーブルに
置いたんだった」



「ちょっと、パパ
いつも言ってるでしょ!
青波の手の届くところに
置かないでって」


ティッシュで
ケータイを拭きながら
呑気に言うパパをにらむ



青波は私のジーンズを
すがるように掴み


「あーだ、だだだ、じゅー」


と解読困難な文句を
叫んでた



「大丈夫だよ、イチ
それ、完全防水だから」



――――――――――ブチッ


お茶碗片手に笑うパパに
完璧ぶちギレ


「ケータイの心配より
息子の心配しろ――っ!
こんなモンしゃぶったら
身体に悪いだろーがっ!」



バンッ
ヨダレを拭き取ったケータイを
ダイニングテーブルに
叩きつけると



パパはじとーっと
ケータイを見つめ


「おお、こわっ
またフライパンで
殴られるかもー」



うっき――――――っ
ムカつく~このくそ親父



ふんっ!

それでもキッチンに戻り
くそ親父が食べる
お弁当におかずを詰めた




朝って
なんで こんなに
余裕ないんだろ





< 46 / 193 >

この作品をシェア

pagetop