先生のビー玉
病院に到着し、看護師より、

「身内の方ですか?」

そう聞かれ、

「はい」

田村はそう言うと、

「では、ここでお待ちください」

そう言われ、救急入口の受付のところに座った。

「佳奈…」

頭を抱え、ため息をつく。

「…先生…田村先生」

パッと顔を上げると、池田と佳奈の両親が立っていた。

「申し訳ありません…」

立ち上がり頭を下げる。

「話は池田先生に聞きました。
先生の責任じゃありませんから…」

隆二が頭を下げたままの田村の肩に手を当てる。

「で、佳奈は?」

清美が聞く。

「まだ処置室にいます」

憔悴しきった田村の表情を見、

「佳奈は大丈夫ですから。
先生がしっかりしなきゃ」

清美が自分に言い聞かせるように言う。
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