ひとり<ふたり
桃地獄
【紅】



リンが家に来てから気づいたこと。



年頃の男なのに朝がバカみたいに早い。



お母さんと同じくらいに起きて、早くから毎日キッチンに立ってる。



洗濯、掃除はおてのもの。



宿題完璧。



「夏休みなんだけど…」

「早くメシ食えよ!!冷めたらマズくなるだろ!!」

「朝はいらないってば!!」

「んなこと言ってっとチューしちゃうよん?」

「いただきます!!」



あたしを起こすのはリンの役目。



髪型も寝癖ひとつない…。



完璧人間っているらしい…。



「ねぇリン」

「ん~?」

「慣れた?ムリして早起きとかしなくていいんだよ?」

「俺がやりたいの!!今はすっげぇ楽しい」



四六時中リンと一緒にいるけどずっとニコニコしてる。



あたしの選択は間違ってなかったのかな?



なんて思う。



「なんでアイスないの!?」

「あっ、俺食った。昨日の夜に寝付けなくて」

「買ってこい。今すぐ買って来い!!」

「ヤダよ。外暑い」



遠慮はしてないのかな?



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