ひとり<ふたり
俺はパーティが嫌いだったけどミズキはいつも行きたがってて、最後にミズキを見たのはベランダ越しだった。



雪が降ってるのにも関わらず車の窓を開けて俺に手を振った。



『リ~ン!!行ってくるね~!!』



それがミズキとの最後の会話。



母親は用事で家にいなくて、ミズキがパーティに行ったことを知ったのは事件の後だった。



パーティ会場で俺と間違われたミズキが誘拐されたんだ。



父さんを恨んでるヤツの犯行だったらしいけど…。



その誘拐したヤツが運転した車がさっきの場所で事故ってそのままミズキは…。



俺がパーティに行ってればまた違ったかもしれない…。



今もミズキは生きてたのかもしれない…。



「違う!!リン君が殺したんじゃない!!」

「でも母さんは…俺がミズキを…」

「それは間違ってる!!リン君はなにも悪くないじゃないか!!」

「オジサン…俺…」

「君が悪いんじゃない。君はなにも悪くない。大丈夫だよ」



涙が止まらなかった。



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