ひとり<ふたり
リンの笑顔にウソはなくてちょっと嬉しくなる…。



「最近…放置されてるもん…」

「あぁ、我慢してんの。甘えないようにって」

「なんで?」

「だって俺も欲しいんだもん。紅みたいな包容力。俺も甘えられたりしたい」



ボヤーッとする頭で解釈しようにもムリ。



言葉じゃ伝わらなくてリンに手を延ばした。



「ギュッてして?」

「カワイ…」



抱きしめられると安心する。



リンの腕だ…。



この手であたしを守ってくれようとしてるの?



極端すぎるよバカ…。



「寒くない?」

「うん…」

「なんか飲む?」

「いらないからギュッて…」



しばらく抱きしめてくれてたんだと思う。



気付けば朝になってて、あたしはリンの腕の中で目が覚めた。



汗だくで寝てたんだろうか…。



超湿っぽくてリンのそばにいたくない。



女としてどうなの!?



「んっ…大丈夫?」

「だ、ダメ!!まだ寝とけ!!」

「は!?痛いって!!」

「しゃ、シャワー浴びて来るの!!」



無理矢理リンをベッドに押し付けてバスルームに逃げ込んだ。



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