破れぬ誓い



「ったく、ツイてねぇぜ。」


後ろから声が聞こえた。

さっきの声に似ている。


「よりにもよって、こいつと一緒かよ。ガキ。」


小声で悪態をつく男。

というか、仲間。


アタシの事を言っている。

アタシは直感的にそう思った。

振り向くことも出来ずただ斉藤さんにくっついて歩く。

それだけしかできない。


「ん?どうしたんだ?」


アタシに気づいた斉藤さんが不思議そうに言う。


「いえ、別に。」

「そうか。」


斉藤さんは鼻歌混じりに見回りをする。

アタシはそんな余裕ではなかった。




< 76 / 333 >

この作品をシェア

pagetop