天使の唄
出会い〜屋上の天使〜

彼女との出会いは、ある日の晴れた放課後。場所は俺ら以外の誰もいない屋上だった。


俺は数カ月前に止めたはずのギターをしっかりと握り締め、久しぶりに弾いてみようと屋上へ続く階段を軽快なステップで駆け登った。



そこに彼女がいることなんて知らずに。



屋上のドアをゆっくりと開ける。


すると微かに聞き覚えのないメロディーと詞が風に乗って流れてきた。



誰か歌ってる…。



俺は半分だけ開けていたドアを直ぐさま開けた。ただもっと聴いてみたくて。


青い空の下には





天使がいた。




こちらに向けられていた背中に羽が見えたんだ。


幻覚や冗談なんかじゃなく、確かに白い白い羽が見えたんだ。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop