虹の世界
帽子もサングラスもしていない。

そんな俺に、なんの反応も無かった。

名前を聞いても、特に変わったリアクションがあったわけでもない。

もしかして、俺を知らない?

知らない振り?

どちらにしても、俺を特別な目で見ていなかった。

久しぶりの事に、思わず笑みが溢れた。


「美羽ちゃんか。」


それから、朝の散歩が毎日の日課になった。

どうしても仕事で行けない日以外は必ず。

二人、空を見上げながら、いろんな話しをした。

少しずつ、彼女の事が見えてきた。

一ヶ月たっても、俺の仕事に気付かない。


「音楽の仕事かぁ。素敵だね。」


そう言って笑った。

小さな雑貨屋さんで働いていると言う彼女は、テレビを観ないと言い切った。
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