虹の世界
「こんにちは。」


「いらっしゃ…………」


止まった言葉。


その言葉の向こうに……君が居た。


「久しぶり。」


ぎこちない挨拶。


「………いらっしゃいませ。」


小さく頭を下げる。


「ごめん。急に来て。話し、したかったんだ。」


店の奥から、店長さんが顔をだした。


「あら、いらっしゃいませ。……え?」


明らかに様子の違う彼女と俺を見ながら、小さな声で、彼女の耳元に囁いた。

店長さんは、小さく頷く彼女の肩にポンと手をのせ、俺を見て笑った。


「今日はもう店じまい。美羽ちゃん、送ってもらって良い?」


「あ………はい。」


店長さんの笑顔につられ、気付いたら返事をしていた。


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