~黒木樹希の事件簿~
樹希は、2年の部員
(と言っても、2年は私たち2人と、男子が1人。
後は名前も知らない、幽霊部員が1人)に連絡を回したりする、2年の代表で、

背中まである長い黒髪
少し白い肌、綺麗で大人っぽい顔立ちに、細めの黒縁眼鏡がとても似合っている。

恵里佳的には、正統派美人。

樹希と今は同じクラスで、
1年の時に、文芸部に入ったことで仲良くなった。

それにしても、どうして、
文芸部の教室にはソファーが置いてあるんだろう?

1年の時に入部してからずっと疑問な事だった事である。

今日は3年の先輩達は修学旅行でいない。
おまけに、新聞部は水曜日に活動、後は自由のため、今日のように2人たげ…という事もある。


恵里佳の視線を感じたのだろう、樹希が読んでいた雑誌から顔を上げた。

雑誌…と言っても、
女子中高生がよく読んでいる、ファッション雑誌ではなく、
不気味な字体で『心霊特集』
と書かれたオカルト系の雑誌。

ちなみに、恵里佳が貸したやつだ。

恵里佳の視線を感じたのだろう、樹希は不思議そうな顔をして聞いてきた。

「どうした?」

「何でもないよ」

恵里佳がそう言うと同時に、教室のドアが開いた。
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