~黒木樹希の事件簿~
「こんにちは~」
「ハロ~」

陽気な声が教室に響き渡る。

やってきたのは、
恵里佳と樹希の部活の後輩である、
佐藤真紀(サトウマキ)と、
英会話部で同じ学年、樹希とは幼なじみの、伊藤瑠璃(イトウルリ)だ。

「おっ!真紀ちゃんと瑠璃じゃん」

恵里佳は笑顔で2人の方へ駆け寄る。

「恵里佳先輩こんにちは」
「こんにちは」

佐藤真紀は、セミロングの髪に、くりくりとした目、
笑うと頬にえくぼができる、可愛い子だ。
動物で例えると、小鹿っぽいと思う。

うん。本当に可愛い。


もう一人は、恵里佳と同学年の伊藤瑠璃。

英会話部で、樹希とは幼稚園の頃からの幼なじみだそう。
肩につくくらいの髪。
好奇心旺盛な子だと思う。

「恵里、樹希は?」

そういえば、さっきから樹希が一言も喋らない。
「ああ…樹希…」

ソファーの方を振り向くと…


樹希はさっきと変わらず、
ソファーを陣取って、雑誌を読んでいた。
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