くちづけのその後で
「朱莉さん、お疲れ♪」


「また来たん……?」


仕事を終えて裏口から出ると、笑顔の西本君が立っていた。


「当たり前やん♪」


彼は満面の笑みを見せながら、あたしの隣を当たり前のように歩く。


「もうとっくに完治したやん……」


あたしが飽きれながらため息をつくと、西本君がニッと笑った。


「治療には来てへんけど、朱莉さんに会いたいからな♪」


彼はいつもと同じ台詞を口にした後、黒いダウンジャケットのポケットから携帯を取り出した。


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