くちづけのその後で
「今日こそ、番号とアドレス教えてな♪」


西本君はニコッと微笑んだけど、あたしはため息をついた。


「嫌!」


そしてキッパリと断って、自転車を押しながら足早に歩き始めた。


「ちょっ、マジで!?まだアカンの!?」


「一生無理やから!」


「俺、絶対に諦めへんし!」


「諦めへんのは勝手やけど、絶対に教えへんから!」


「はいはい♪」


あたし達はいつもと変わらないやり取りをしながら、歯科医院のすぐ近くのコンビニまで歩いた。


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