くちづけのその後で
公園に着いて時計を確認すると、まだ10時前だった。


周りを見渡しても、西本君の姿は無い。


「ママ!これ!はやくあしょぼ!」


「うん!」


お砂場セットを持ち上げた海斗は、あたしの手を引っ張って砂場の方へと促した。


「ママ、はい!これして!」


砂場にしゃがみ込むと、海斗は満面の笑みでスコップを差し出した。


「うん、ありがと」


あたしはお気に入りの黒いスニーカーを少しだけ気遣いながら、海斗と一緒に砂を掘り始めた。


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