くちづけのその後で
そんなあたしとは違って、今日の事をすごく楽しみにしていた海斗は、早朝から目を覚まして…


「ママ!はやく!」


さっきから何度もそう言って、あたしを急かしている。


それで無くても、今日が待ち遠しくて堪らなかった海斗は、寝ても覚めても同じ事を訊いていた。


「はやとくんとあしょぶの、あした?」


海斗はまだ曜日を理解出来ていないから、何度も訊いて来るのも仕方が無い事だけど…


その言葉を聞く度に、あたしからは深いため息が漏れた。


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