くちづけのその後で
1DKのこのアパートは、海斗と住むには狭過ぎる。


玄関を入って4,5帖のダイニングキッチン、その奥にユニットバス。


キッチンの左側の部屋は、クローゼット付きの8帖の洋室と小さなベランダ。


この家には、海斗を遊ばせてあげられるスペースがどこにも無い。


あたしは泣きそうになりながら、海斗を降ろした。


「まぁま……。いちゃい?」


「どこも痛くないから大丈夫やで♪」


あたしが笑うと、眉を下げていた海斗がホッとしたような笑顔を見せた。


< 36 / 808 >

この作品をシェア

pagetop