くちづけのその後で
 − ピンポーン♪


食事を済ませて寛いでいると、インターホンが鳴った。


「ママ、ぴんぽん!」


「はい?」


インターホンの受話器を取ると、低めの声がした。


「早川やけど」


早川さん……?


不思議に思いながら海斗を抱き上げ、玄関のドアを開けた。


「どもっ♪」


うちの前に立っていた早川さんが、笑顔であたし達を見た。


「何かあったんですか?」


あたしが訊くと、彼は笑みを浮かべたまま首を横に振った。


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