くちづけのその後で
「朱莉!じゃあ、またね♪」


「うん、気をつけて!」


亜由美はニッコリと微笑みながら頷いて、西本君を見ながらクスッと笑った。


それから、彼女が意味深な笑みを浮かべた。


「頑張れよ、少年♪」


おどけたように言った亜由美は、颯爽と踵を返した。


「えっ?」


途端にキョトンとした西本君が、すぐに振り返って亜由美を見たけど…


彼女は背中を向けたまま手を振り、肩の下まで伸びた黒髪を靡(ナビ)かせながら階段を降りていった。


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