くちづけのその後で
梅雨入りしてから数週間が過ぎた、6月下旬の土曜日。


あたしは、亜由美と会う約束をしていた。


保育園に行っていた海斗を迎えに行き、その足で待ち合わせ場所のカフェに向かった。


保育園からカフェまでは、自転車で10分も掛からない。


いつものように海斗を後ろに乗せ、暖かい陽射しを浴びながらゆっくりと自転車を漕いだ。


「朱莉!海斗!こっち♪」


カフェに入ると、先にカフェに着いていた亜由美が奥のテーブルから身を乗り出すようにして、あたし達を呼んだ。


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