くちづけのその後で
真剣な話も程々に、あたし達はその後はずっと他愛のない話をしていた。


亜由美の愚痴を聞いたり世間話をしながら、コーヒーを飲んで…


不意に口を挟んでは脈絡の無い話をする海斗に、あたし達は何度も笑った。


亜由美と楽しい時を過ごせたお陰か、彼女と別れる頃には不思議と勇気が湧いて来た。


いつまでも、逃げてたらアカンよね……


そう、強く思えるようになったんだ。


そして…


あたしは改めて、21歳最後の日に颯斗に自分の過去を告白する決意をした。


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