くちづけのその後で
しばらくの間、亜由美は黙り込んでいたけど…


「そっか……」


あたしの気持ちを汲み取るように頷いて、小さく呟いた。


「うん。それに……」


あたしは海斗に視線を遣った後、身を乗り出して声を潜めた。


「海斗がいてへん時しか話されへんから……」


「そうやんな……」


「うん……」


「朱莉が決めた事なら、あたしは反対せぇへんから……。でも、無理はしたらアカンよ?」


真剣な表情の亜由美に感謝しながら、笑顔で頷いた。


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