くちづけのその後で
颯斗はあたしを抱き寄せると、髪を優しく撫でてくれた。


「ゆっくりでイイで?朱莉が話したくなるまで、俺は待つからな」


彼の手の温もりが、心の奥まで温めてくれる。


「上手く言えるかわからんけど、最後まで聞いてくれる……?」


「うん」


「あたしの過去を知っても、あたしから離れへん……?」


あたしが一番不安に思っている事を訊くと、颯斗は優しく微笑んだ。


「当たり前やろ♪」


あたしは小さく微笑み、ゆっくりと口を開いた。


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