くちづけのその後で
「ハッピーバースデー、朱莉♪」


「え……?」


颯斗の言葉で時計に視線を遣ると、0時ピッタリだった。


小さな笑みを浮かべたあたしは、彼の瞳を真っ直ぐ見つめて口を開いた。


「ありがとう♪」


颯斗は優しい笑顔を見せると、あたしにそっとキスをした。


シトラスの香りに包まれながら交わした、優しいキス。


颯斗に過去を告げる事が出来て、そして彼がそれを受け入れてくれた事で…


あたしの心は、まるで羽が生えたかのように軽くなっていた。


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