くちづけのその後で
颯斗は枕元に置いてある荷物の中から、小さな紙袋を取り出した。


「はい、朱莉♪」


「何……?」


「プレゼント♪」


笑顔の颯斗に、心が温かくなった。


「ありがとう♪」


あたしは満面の笑みで言って、彼に差し出された紙袋を受け取った。


「開けてもイイ?」


「うん、もちろん♪」


紙袋の中を覗いて、入っていた小さなピンク色の箱を取り出す。


そして、それを優しく包み込むように結ばれた白いリボンを摘み、そっと解いた。


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