くちづけのその後で
「今は寂しいけど、ママは海斗がいてるから頑張る。だから、海斗も頑張ってくれる?」


「うん……。かいと、おとこのこやもん……。がんばる!」


海斗はそう言ってから涙を拭いて、一生懸命笑ってくれた。


「ありがと……」


あたしは溢れ出しそうな涙を必死に堪えながら、精一杯の笑顔で呟いた。


やっぱり、海斗に本当の事は言えない。


嘘ついて、ごめん……


海斗が寂しくないように、ママが頑張るから……


心の中で強く誓って、海斗をギュッと抱き締めた。


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