くちづけのその後で
「海斗。颯斗君の事やけどね……」


「はやとくん……?」


「うん……」


頷いてから小さく深呼吸をして、海斗の瞳を真っ直ぐ見つめた。


「颯斗君は遠くに行っちゃったから、もう会われへんねん……」


「ずっと……?」


「もしかしたら、いつか会えるかもしれへんけど……。でも、前みたいに一緒に遊ぶ事は出来ひんと思う……。わかる……?」


最後に小さく訊くと、海斗は瞳に涙を浮かべながらもコクリと頷いた。


あたしは、海斗の頭を優しく撫でた。


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