くちづけのその後で
颯斗は、もう一度あたしをゆっくりと抱き寄せた。


「朱莉……」


「ん?」


「俺さ、朱莉の事……めっちゃ好きやからな♪」


「うん……」


「朱莉は?」


「え……?」


あたしから体を離した颯斗が、笑顔で口を開いた。


「俺の事、好き?」


「うん……。めっちゃ好き♪」


迷う事無く笑顔で答えたあたしを、颯斗はまたギュッと抱き締めた。


彼の右耳には、あたしとお揃いのルビーのピアスが優しく強く光っていた。


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