大嫌いでも、大好きだから。



「や、だ……」

女の子は罰が悪そうな顔をして顔を背けた。
梓は無言のまま、私を見ている。



私は顔が赤くなるのを感じた。


「ご、ごめんなさい……っ」

慌てて頭を下げ、
部屋を出る。



嘘。
嘘。

梓が、キスしていた。

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