大嫌いでも、大好きだから。

「宮瀬さん、すごく可愛いのに、こんなに泣いてる……」

「……そんなことないです……っ」

可愛いのは、鈴の様な可憐な女の子のことだ。
私じゃない。


「宮瀬さんの泣き声、ベッドの方まで聞こえてきたよ。おかげで目が覚めちゃった」

「ご、ごめんなさい……っ!」

クス、と笑う鳳君に、私は真っ赤になって謝罪する。

……恥ずかしい。


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