恋〜彼と彼女の恋愛事情〜
こんなときは少し長い前髪と眼鏡は役に立つ。
学校の教室で机に座り、いつものように教科書を開く。
もちろん頭になんて入らない。
・・・そうだ、お世話になったお店のマスターにもお礼言わなくちゃいけないな。
ガラッ
教室のドアが開いて未那が入ってきた。
未那はまっすぐ私のところへ近づいてくる。
「おはよう純、昨日はいったいどうした・・・」
私の顔を見て、何かあったのは察したみたい。
「未那、今日の放課後あいてる?」
今にも泣きそうな私の声に
「うん・・・大丈夫?」
優しく話しかけてくれる。
「うん、詳しいことはそのときに話すから」
「わかった」
それから、何も言わずそばにいてくれた。
教室のドアが開いて
「おはよ」
その声に体がビクッと反応する。
暁だ。
私の席は一番前、暁は一番後ろ。
入ってくるドアが違う。
振り向かなければ私から暁は見えない。
見たい。でも見たくない。
私のちょっとした変化がわかったのか、未那が背中に手を置いてぽんぽんとしてくれる。
私は未那を見て
「ありがとう」
と言った。
「うん」
笑顔で答えてくれる未那。
こんな時の未那は本当に頼りになる。
いつもは馬鹿ばっかり言ってるのにね。
それから、休み時間になると私の席にきて何も言わずそばにいてくれた。
放課後は部活があった。
私は花壇に行って花の手入れをした。
体育館の中からはバスケットボールの音が聞こえてくる。
暁頑張ってるかな・・・。
部活の時間はずっとそんなことを考えていた。