彼は彼女にしか笑わない[短編]

帰り道-玲矢side-

俺は今未來と帰ってる。

最近の俺はこいつがいると妙に落ち着く。
なんでだ...?

それにさっき一緒に帰ると言った時の俺に向けた笑顔が忘れられない。
やっぱり俺変だ。

でも未來は気づいてると思う。
...俺が未來とあいつを間違えてることを。

ふと横を見るとオレンジのかかった未來の髪が、
夕日の光を浴びてきれいに輝いてるように見えた。

この長い髪はいつもふわふわに巻かれてる。
そんなやわらかそうな髪だった。

「夕日きれ~だね?」
それに笑顔が似合う。

...ッて俺何考えてんだ?

「玲矢?どうかしたの?」

「あ!いや...!!てかお前その髪の色怒られないの?」

「...?あぁ-元からだし色変える気なんてないもん」
「何で変える気ないの?」

何となく気になった。
「ある人が褒めてくれた髪だから...」

ある人?
って誰だよ。
 てかなんで俺気にしてんの?

「ある人って?」

未來は恥ずかしそうに
「それは言えないよ//」

好きなやつなのか?
てか俺、気にして馬鹿見たいぢゃん。

俺本当馬鹿みて-。

俺はそんなことを思いながら、
未來と他愛もない話をしながら帰った。
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