王子嫌いなお姫サマ☆


「ねぇ、結城さんの欲しいものって何?」



不思議そうに黒田が首を傾げた。



「ん?秘密だよ。」


やっぱり笑顔を崩さない結城さん。



それに比べて、さっきから辛そうに笑う雫。


おかしい……。


何かがおかしい………。



「ほら、そろそろ遅いから帰りな。」


結城さんにそう言われ、外を見ると本当に暗くなり始めていた



「雫も。今日は一旦家に帰って、また明日来なよ。」


「……う、うん。」



「じゃあ、龍くん。雫を家までよろしくね。」



ニッコリ俺に微笑んだ



俺たちは病院を出て歩き出した


「それにしても、結城さんが元気そうでよかった―。」


「だよな―。早く退院できるといいな。」



そう俺らの前で話しをしている秀哉と黒田



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