優しい告白
夜の告白
劇場の外は、すっかり夜。

一人できた道を戻る。

電車の時間は余裕あり。

帰って、母さんが作ってたカレーを食べて、シャワーして……。

歩きながら、なぜか涙が溢れてきて。

拭っても拭っても止まらない涙。


「止まんないよ。」


「どうすれば良い?」


「え?」


振り向いたそこには、息を切らした、塁がいた。


「どうして………?」


「はぁ?居ねぇから。戻ったら座ってねぇから。」


膝に両手をついて息を整えながらゆっくりと話す。


「お前さ、」


体を起こして私を見つめる。


「戻って。まだ、間に合うから。」


「はぁ?どこに?」


「劇場、早くって。」




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