虹に降る雨
「もちろん。待ってる。」


「うん。」


不安気に拳を握る美里ちゃんが、少しだけ笑った。











ここ、シスター・サラがいる教会は、家族の愛に恵まれなかった子供たちの家。









私が育った場所。










家族の愛には恵まれなかったけれど、シスターたちや、仲間の愛に恵まれて育った。









大切な私の家族達。









美里ちゃんが不安そうに笑って手を振ったあの日から、不安そうに笑う姿が頭から離れなかった。

それは、きっと、私が弱いせい……。











「美羽?」


「……え?」


「カイロ効かない?」


彼が、大丈夫だよって見つめていた。



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