虹に降る雨
「明日は、朝、大丈夫?」


これくらいは良いよね?


「大丈夫。あのさ、こん」


「じゃあね。」


無理矢理手を振った。










忘れていたわけじゃないけれど、苦い想い出が胸に溢れる。










『寝てた?ごめんな。開けてくんない?』










その日の夜中。

深夜一時を回った頃にかかってきた電話。


「え?」


『ドア、開けて?』


「ドア……?ぁ………!待って。今開ける。」


慌ててドアを開けた。


「ごめん。寝てた?」


「………どうして?」


「逢いたかったから。」


唖然とする私をそっと部屋の中に押し戻すと、後ろ手でドアを閉めた。




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