ブランケット

考えが浮かばなくなるほど、深く入りこむ。

「…ん…。」

容赦なく私を酸欠にしようとしている朝貴。

恐るべき陰謀…

「何考えてんだか大体わかんだよ、この阿呆。」

「阿呆ってひどい。」

「離してやらねぇ。」

そんな甘い恋愛漫画みたいな台詞を吐く。

動揺する。

いつだって朝貴の吐く言葉は魔法のように、私を虜にするから。

甘く浸ってしまう。

「ざ…雑誌では、私のこと、妹だって言ったクセにっ。」

流されないんだから。

平凡で朝貴と釣り合わなくても、私は変われない。



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