ブランケット
だから、ひとつずつ紐解いていくしか方法はないんだと思う。
「雑誌?」
「キッチンに置いてあったやつ。」
「あぁ。」
「納得しないで答えてよ!」
今更ヒステリック気味に話す私を朝貴の腕が強く締める。
「…危害が及ばないように。
お前のこと言ったら、俺等の知らない奴までがお前のことを標的にするだろ?」
ゾクリと背筋が凍る。
現実を水のように上から被せられたような気分。
顔の知らない朝貴やクレッシェンドのファンは、私の存在を知って。
どれだけの人がそれを受け入れるんだろう?