春風
支え
ある日の体育の授業中。
今日も柚は見学者席に座っている。
顔を見ると、退屈そうだ。
あたしはクスッと笑って手を振った。
柚はこっちに気づくけど、
軽く手を挙げただけだった。


授業が終わって、
クラスに戻ろうとした
その時だった。
何やら、周りが騒がしい。
人だかりも出来ている。
人混みを掻き分けて、
何が起きているのか、確認をする。
そこには、
信じられない光景が広がっていた。
「柚!!」
そこには、苦しそうに
うずくまる柚の姿があった。
「…っ…!」
「柚!!大丈夫!?」
思わず側に駆け寄った。
でも、してあげられる事は何もない。
初めて、怖いと思った。
あたしは、無力さを感じた。
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