神様の悪戯
「…?先生、さっき言いましたよね?『早く帰れ』って。だから、私一刻も早く帰りたいんですけど…」
まったくなんなのよ!!
言ってる事とやってる事めちゃくちゃだし、何考えてんだか訳わかんない…
気付かれないようにため息をついて彼を見上げた。
今までの気持ちも込めて半分睨みつけてみたけど、この人にはまったく効かないみたい。
変わらない表情、私の視線すら迷惑そうに目線を逸らされた。
だから、思考を読むこともできなくて私は今度こそ黙るしかなかった。
雨の雫で若干濡れ髪をハンカチで拭いながらアイツの肩先にさっきの桜を見つけた。
「おい、さっ…、…かったな」
突如、耳に流れ込んできたのは予測不可能な言葉だった。
ちゃんと聞き取れなくて首を傾げてしまう。
すると、急に視界が遮られた。
優しいフローラルの香りが私の顔を覆っていた。
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