神様の悪戯
えぇぇ〜と…
誰だっけ?
お父さんの知り合いみたいだけど…
思い出せない。
「こんばんは、今夜はお世話になります」
曖昧に笑顔を浮かべて返事をしたけれど、後が続かない。
思わず、父に視線を送る。
「10年以上前の事だ…、華恋は覚えてないんじゃないか?」
私と大場さん、2人からの視線に父は笑いながらお茶に手を伸ばす。
記憶を辿っても、思い当たらない。
「ごめんなさい」
俯く私に気にする様子もなく大場さんは笑った。
「気にする事ないよ。それより、今夜は腕を振るうからね!…じゃあ、また後で」
そう言って、部屋を出て行く。
「ぁぁ、よろしく頼むよ」
父の言葉に軽く手をあげて応えると、扉は静かに閉まった。
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